四季折々の表情が彩る日本には、伝統に培われた食文化や新しい技術によって生まれる味わいが各地にあふれています。「ごはん暦」は、国産の安心と安全性で大切に作られた日本各地のおいしいに隠された物語を紹介します。
JA全農あきた・JAかづの 秋田・鹿角のおいしさ自慢の「あきたこまち」と「淡雪こまち」
秋田県北部、八幡平水系のミネラル豊富な水に恵まれ「あきたこまち」の産地として知られる鹿角市。
JAかづのは、養豚施設から排出される堆肥を活用した資源循環型農業を実践していて、人気の「あきたこまち」と標高の高い地形に適した「淡雪こまち」を20年近く前から栽培しています。早生品種である「淡雪こまち」は、「あきたこまち」と収穫期がずれるため、両品種を栽培している生産者が多く、鹿角管内の「淡雪こまち」は、県内の収穫量のほぼ全量を占めています。
水田に直接、種をまく直播栽培で、12年前から「淡雪こまち」の栽培に取り組む花輪地区の農事組合法人「用野目ファーム」の代表工藤広治さんは「直播による作業の効率化と省コストを目指して栽培を始めましたが、食べて驚いたのがそのおいしさ。もちもちした食感で冷めてもおいしいお米です」と自信たっぷり。理事の田中博美さんは「昨夏は高温で大変でしたが、鹿角の豊富な水を利用した水管理などで乗り切りました。もっちりしているので炊き込みごはんもお勧め」と話します。
標高の高い鹿角だからできる適地適作の「淡雪こまち」は、舌の肥えた地元の人たちにも高い評価を受けています。生産者が愛情込めて育てた「淡雪こまち」を東海地区の人にも「まずは食べて、そのおいしさを実感してほしい」とアピールしています。
お問い合わせ先
JA全農あきた パールライス課 T E L 018-845-8000
URL:https://www.zennoh.or.jp/ak/
三州三河みりん
初夏にうれしいさっぱりおかず ごはんが進むみりんの甘酢だれ
日本の伝統的な調味料を生かして和洋中からエスニックまでシンプルで素材そのものを味わうレシピを提案する料理家のワタナベマキさん。
伝統的な製法で造った三州三河みりんも日頃から愛用する調味料の一つ。「みりんは、魚や肉のにおいを和らげたり、優しい甘みを与えたりする調味料ですが、特有の風味があって料理に加えるとおいしさが底上げされるんです」と話します。
今回紹介するレシピは、見た目もカラフルな初夏らしい一品。肉だねにみりんを加えることでひき肉特有のにおいが気にならなくなります。甘酢あんの軽やかでほどよい酸味と、さらっとしたみりんの甘みが絶妙なバランスです。ビールのおつまみにも、ごはんのおかずとしても満足するごちそうです。
もち米のうまみをゆっくりと引き出した本物のみりん。上品な甘さと自然なうまみが毎日の食卓をおいしく彩ります。
三州三河みりんレシピ
パプリカの肉詰めみりん甘酢あん(2人分)
材料
パプリカ(赤・黄) 各1個
豚ひき肉 150g
玉ネギ 1/2個
ショウガ 1片分
三州三河みりん 小さじ2
塩 小さじ1/4
片栗粉 大さじ1
しょうゆ 小さじ1
ごま油 小さじ3
いりごま 適宜
A
水 100ml
三州三河みりん 大さじ2
酢 大さじ1
しょうゆ 大さじ1
塩 小さじ1/3
B
片栗粉 小さじ2
水 小さじ2
作り方
1.パプリカはヘタとタネをのぞき2等分に切る。
2.豚ひき肉にみじん切りにした玉ネギ、すりおろしたショウガ、三州三河みりん、塩、片栗粉、しょうゆを加えてしっかりと混ぜる。
3.片栗粉を適量(分量外)をパプリカの内側にはたき、②を4等分にして詰める。
4.フライパンにごま油小さじ2を入れ、中火で熱し、肉を詰めた面を下にして表面に焼き目がつくまで焼く。
5.Aを加えてひと煮立ちさせ、ふたをして弱めの中火で6分間蒸し焼きにする。
6.合わせたBを加えてひと煮立ちさせ火を止め、ごま油小さじ1を回しかけ、盛り付けてからいりごまをふる。
料理研究家。旬の食材を使い祖母から教わった料理に現代らしさをプラスし、シンプルで丁寧な料理を心がけている。
テレビ、雑誌、書籍、イベントなど多方面で活躍する一方、高校生の息子の母としても多忙な日々を送る。最新刊は『日本の一年、節目の一皿: 二十四節気七十二候+行事いろいろ」(小学館)
お問い合わせ先
三州三河みりん
株式会社角谷文次郎商店T E L 0566-41-0748