家庭料理が楽しくなる「キユーピー3分クッキング」 CBCテレビが60年にわたって続ける視聴者ファーストな番組づくり

番組開始初期の収録の様子。初代講師を務めた宮本三郎さん(左) 提供=CBCテレビ

CBCテレビと日本テレビの2局制作により、全国で放送されている料理番組「キユーピー3分クッキング」が2022年12月に番組開始60周年を迎えます。CBCテレビでは時代に合わせて進化を遂げながらも、長年コンセプトを変えず、視聴者に寄り添った番組づくりを徹底。毎日の献立に役立つ、「天気予報」のような存在であり続けています。今回は講師を担当する宮本和秀さんと、同局の大谷佐代プロデューサーに番組の見どころなどをお聞きしました。

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毎日の家庭料理を楽しく、そして信頼できるレシピを提案したい

(左から)同局の山内彩加、古川枝里子、南部志穂の各アナウンサー

60年におよぶ長寿番組として愛され続ける同番組。時代の流れにともない、どのような変化を感じていますか?

宮本さん(以下、宮本):この番組は「簡単」「便利」「毎日の献立づくりに役に立つ」をコンセプトにスタートしました。18年にわたって講師を担当した父の跡を継ぎ、私は今年で42年目。コロナ禍や物価上昇など世の中が変化を遂げるなかでも、番組の姿勢は変わらず揺るがないと感じます。

一方で、時代の流れやニーズに応え、番組をより進化させるための試行錯誤は続けています。制作側や講師が提案したいメニューだけではなく、さまざまな意見を取り入れ、視聴者に寄り添ったメニューを届けるようになりました。

大谷プロデューサー(以下、大谷):SDGsの普及をはじめとする時代の流れに合わせて、番組も進化し続けていると感じます。例えばフードロス削減に向けて、2022年10月からレシピの材料は4人前から2人前の分量に変更されました。さらに12月7日からは、毎週水曜日の放送で「プラスエコ」を実施。番組を通して視聴者に料理のエコなポイントを伝え、気軽にチャレンジしてもらうための取り組みを行います。

講師の宮本和秀さん(右)

CBCテレビにおける制作現場では、一発撮りで編集を加えない「疑似生収録」を徹底。その理由をお聞かせください。

大谷:番組が放送されるのは、約7分間。調理の全工程をお伝えすることは難しいため、視聴者にしっかりと伝えたい手順やポイントを、事前に打ち合わせして撮影に臨んでいます。疑似生収録を行うことによって、番組の内容にメリハリが出せるというメリットがありますね。

宮本:1日で6日間分の収録をしていますが、生放送と同じで「撮り直しができない」という緊張感が保てることも、疑似生収録の良さだと感じます。疑似生収録を続けているおかげで、未だにスタジオに入ると足が震えるほど緊張しますね。

メニューを決めるときは、どのような点に気を付けていますか?

メニューの一例(左から)12/7(水)「ベジブロスのオニオングラタンスープ」、12/9(金)「焼き白菜のホットサラダ/白菜の巻きおひたし」、12/10(土)「ナポリタングラタン」、(下)12/8(火)「手羽先の甘辛煮」

大谷:撮影の約半年前に行う献立会議では、旬の食材をしっかり使っているか、和・洋・中のバランスが偏っていないかなど、先生と話し合ってメニューを決めています。トレンドは「追いすぎない」ことにしていますね。基本を大切にしながら、エッセンスとしてトレンドを盛り込むことでバランスを保つようにしています。

宮本:毎日の家庭料理にメリハリをつけることは重要だと思いますが、トレンドを追いすぎたり、珍しいものを探求し続けたりすると無理が生じてしまうもの。食材の入手も大変ですよね。基本的な「家庭料理」を大切にしながら、プラスアルファのヒントにつながることをお伝えできればいいなと思って取り組んでいます。紹介するメニューはどれも、自信をもってお届けしています。

大谷:また、視聴者が手軽に入手できる食材を使い、調理工程をシンプルにすることで「再現性」の高いメニューを提供するようにも気を付けています。

宮本:番組を見た誰もが同じような味を再現できるように、レシピには個数だけではなく重さの記載を加えています。こうすることで、材料一つひとつの大きさによって必要な調味料の分量に違いが生じる問題を解消しました。

インターネットで手軽に見られるレシピサイトと比較して、どのような点で差別化できると考えていますか?

宮本:食材には旬があるので、同じ野菜を扱うにしても大きさや水分量、甘み、おいしさは変わります。スタジオで調理して野菜に触れて、その場でアドバイスが思い浮かぶこともある。視聴者に届けたいリアルな思いを言葉にできる点が、テレビの料理番組の良さだと思っています。

大谷:私は、プロの料理人である先生方が料理の基礎と仕組みを丁寧に教えるコンテンツであることがポイントだと思っています。安全な調理工程で、安心して料理が楽しめる「信頼度」が大きな違いですね。

また、「冷蔵庫の食材を使う」「このメニューが食べたい」といった目的をもって検索できるインターネットとは違い、私たちは1か月間の食事バランスを考えてメニューを考案しています。スーパーで気軽に手に入れられる食材で、自分では思いつかないような料理に出会えるというのが魅力ではないでしょうか。

日々ご家庭で料理をする方に向けて、先生からメッセージをお願いします。

宮本:毎日の料理は大変ですが、「毎日だからこそ大切」なものですよね。おいしい料理を作って食卓に並べれば、食べた人はみんな必ず笑顔になります。作る人は、食べる人の笑顔や喜ぶ姿を想像しながら、ぜひ楽しんで料理を作っていただきたいですね。

CBCテレビ「キユーピー3分クッキング」の番組概要はこちら

CBCテレビ「キユーピー3分クッキング」
毎週月曜~金曜 午前11:20~11:30
毎週土曜 午前11:30~11:40 ※地域により放送時間が異なります
CBCテレビ全国13局ネット放送
番組公式HPはこちらをチェック https://hicbc.com/tv/kewpie/

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