東海さすらい旅日記【愛知県大府市】国内最大級の農産物産直市場が誕生 生まれ変わった「げんきの郷」をひと巡り

 もうかれこれ20年以上も経ったのかと思うと感慨深い。東京から名古屋の会社に転職して間もなくの2000年12月に「JAあぐりタウン げんきの郷」は開業した。当時、新しい会社の仕事にまだ慣れなくて、前職(レジャー系出版社)的になじみのあるこういった施設が愛知県にできたことがとても嬉しかった。「農」と「食」をテーマとする都市農村交流複合拠点施設。産直市場あり、温泉あり、飲食あり、体験農業ありと、まさにこれからの時代に必要とされる新コンセプトの複合施設として注目され、全国からの視察も殺到した。

 東海地方の集客施設の入込統計をまとめたいと思っていた時に、げんきの郷がオープン。ここは絶対にランキングに入れたいと思っていた。この施設の存在は、マンネリ化する東海地方のレジャーシーンに刺激を与えるのではないかと。当所から快くご協力をいただき、自分の職は変わったけど、その関係はありがたいことに今にも繋がっている。

 そんなこともあり、とても深い思い入れのある「げんきの郷」が7月20日にリニューアルオープンした。大府駅からバスに乗り、4年ぶりくらいの再訪。なんか、お盆に親戚のおばあちゃんの家にバスでやって来たみたいな懐かしさがある。20年前からの知り合いの職員の方に笑顔でお出迎えいただき、新しくなった「げんきの郷」をぶらりと。

 まずは、腹ごしらえに食彩処「だんらん亭」で四季彩御膳。もちろん、地元産の野菜などを使った人気メニュー。

 そして、今回のリニューアルの目玉「はなまる市」へ。これまでの野菜・果物売場だけでなく、鮮魚売場、花卉売場が一体化され、なんとJA系の産直施設としては日本一の売場面積(約2,000㎡)を誇るファーマーズマーケットが誕生した。

 面積が広くなっただけでなく、店舗内の回遊性も各段によくなり、レジも一本化されたことにより、買いやすくなった。また、地元知多半島の統一ブランドとしての「知多どれ」によるお菓子などの新商品が展開されたり、知多半島の観光PRのフラグが掲示されるなど、知多半島の地産地消、農畜産物の魅力発信、地域活性化を強く意識していることは十分に伝わってきた。

 その他、開業後に新規で誕生した施設も、新商品を販売開始したり、農業施設らしい「プレミアム桃タルト」(めちゃ美味い)など人気スィーツメニューが誕生するなど、「はなまる市」以外の魅力もパワーアップしていた。9月には新しいカフェとビュッフェもオープンするらしい。

 JAあぐりタウンの名前のとおり、ちょっとした小さな町(一画)とでも言おうか。すべてを歩けばそこそこ歩く。最後は温泉施設の「めぐみの湯」と愛知県内最大級の足湯「ちゃぷーん」。今回は時間がなかったから寄らなかったが、本来はゆっくり買い物して、のんびり温泉にも浸かりたい。

 生まれ変わった「げんきの郷」。施設コンセプトどおり、行けば間違いなく元気をくれる複合施設。全国一の規模だけではなく、全国一魅力のある「農」と「食」の産直複合施設として、愛知県の誇りに思う。

何度もここへ一緒に通った天国の先輩に捧ぐ。

■JAあぐりタウン げんきの郷
https://agritown.co.jp/

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この記事を書いた人

愛知県豊橋市生まれ。
出版社、シンクタンク勤務を経て、現在は一般社団法人ほの国東三河観光ビューローのマーケティングディレクター。旅人総研代表。愛知大学地域政策学部非常勤講師(観光まちづくり論)。
東海地方を中心に、地域を盛り上げる観光事業や集客計画など、手がけてきたプロジェクトは数知れず。生まれ育った愛知県東三河に腰を据え、地元活性のために奔走する。また、旅人総研代表として、講演やフォトラベライター(旅するカメラマンライター)などの個人活動も実施。旅と写真とロックを愛する仕事人で、公私ともに、さすらいの旅人として各地を巡っている。

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