東海さすらい旅日記【三重県菰野町】三重の古湯、湯の山温泉界隈めぐり

 東海エリアの旅日記。何度も行ったところもあれば、勝手知る地域もある。けど、自分自身としては初見でまだ見ぬところへ行くことの方に興味を惹かれる。旅の好奇心の原点は、「まだ見ぬところへ行く。そこで新しい経験をする」こと。三重県の地図を眺めながら、そのまだ見ぬところに目星をつけていた。今回は開湯から1300年の歴史のある古湯「湯の山温泉」へ。

 豊橋を出て桑名で散策した後、湯の山温泉に向かった。日帰りで行ける範囲のところだが、今回はゆっくり滞在しようと宿を押さえた。AIに辺りの過ごし方を聞くと、陶芸村があると言う。四日市の万古焼は知っているが、ここでも陶芸が行われている。ろくろを回す時間はなかったが、何連も続く現役の登り窯が待っていた。

 夕暮れが近づいていたが、宿にチェックインし、裏手にある御在所ロープウェイへ。湯の山温泉を代表する観光資源。この地を訪れるほとんどの人がロープウェイで山へ登る。長さは思っていた以上に長く、その分高いところまで行く。四日市から伊勢湾方面を見下ろしながら、みるみる周囲の山が眼前に迫って来る。

途中、圧倒的な存在感を示す白い塔を通過。どうやら日本一の高さを誇るロープウェイの中継塔らしい。

 ロープウェイの終着点の辺りを歩く。360°周囲が見渡せる絶景。そして何よりひと際寒い。3月初旬でもまだ雪が残っていた。

 ロープウェイを降りて、そのままホテルには向かわず、温泉界隈を歩いた。いくつかの宿が閉館され、そのままの姿を残しているところもあったが、今回そこは興味の対象ではない。むしろ、この温泉地が歴史を辿ってきた名残りと今の風景を知りたかった。

 ここであった男女の別れの伝説から名づけられた「なみだ坂」。そこを流れる川は、その頃から変わっていないだろう。

 宿は、山の斜面に建てられ、複雑な構造。隣の郵便局は珍しい3階建て。宿のおもてなしはとてもよく、温泉も食事もよかった。正直、まちの寂しさはあったが、宿はあたたかかった。温泉地ってそれだけでいいと思う。心も体もあたたまり、ゆったりと時間を過ごす。そんな湯の山温泉。また行きたいかと聞かれれば、行きたいと答えるだろう。

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この記事を書いた人

愛知県豊橋市生まれ。
出版社、シンクタンク勤務を経て、現在は一般社団法人ほの国東三河観光ビューローのマーケティングディレクター。旅人総研代表。愛知大学地域政策学部非常勤講師(観光まちづくり論)。
東海地方を中心に、地域を盛り上げる観光事業や集客計画など、手がけてきたプロジェクトは数知れず。生まれ育った愛知県東三河に腰を据え、地元活性のために奔走する。また、旅人総研代表として、講演やフォトラベライター(旅するカメラマンライター)などの個人活動も実施。旅と写真とロックを愛する仕事人で、公私ともに、さすらいの旅人として各地を巡っている。

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