旬を食べよう~東海地方の伝統野菜~【徳田ねぎ】岐阜県岐南町

日本列島のほぼ真ん中辺りに位置する東海地方は、古くからモノやヒトの往来が盛んで、豊かな自然と過ごしやすい気候に恵まれていることもあり、野菜づくりが盛んな地でした。

そんな東海地方には、数々の伝統野菜が地産地消されており、野菜本来の「旬」や食文化を教えてくれる貴重な存在として親しまれています。

「飛騨・美濃伝統野菜」に選定されている「徳田ねぎ」
(岐阜県岐南町内の産直店で購入)
目次

約150年前から
岐阜県岐南町で作り続けられてきたネギ

袋から出した「徳田ねぎ」
先端は切断されていますが全長1メートル近くあります

鍋料理の具材や薬味として欠かせないネギは、中国西部や中央アジアが原産地といわれ、日本へは奈良時代に渡来したと伝わっています。
古くから親しまれている野菜の一つで、主に白い部分を食べる「根深(ねぶか)ねぎ」や、青い部分を食用にする「葉ねぎ」といった品種群があり、各地に定着している「ご当地ねぎ」のようなものがあります。

「徳田ねぎ」は、幕末に尾張で栽培されていたネギの種子を岐阜県岐南町の人が譲り受けて増やし、地元の農家に無償配布したことから当地で普及したそうで、「飛騨・美濃伝統野菜」にも選定されています。
「徳田ねぎ」は葉ねぎの系統といわれ、育成中に何度も土をかぶせることで軟白部分を長く伸ばしているそうです。
見た目は、1本1本は細めで、白い部分が長い葉ねぎのような印象を受けます。
食感としては、全体的にクセが少なくてやわらかいのが特徴なのだそうです。
収穫期は11月下旬から3月ごろで、期間中は、岐南町内の産直店やスーパーなどで販売しています(確実に購入するには、事前に電話確認してください)。

ネギ売り場の「徳田ねぎ」
(岐南町内にあるJAの産直店「おんさい広場はぐり」にて)

地元産ということもあってか、店頭に大量に並んでいました。
すーっと長くて、色合いのバランスがきれいなネギです。

栄養豊富で、
やわらかくて食べやすい

一般にネギは、抗菌作用のあるアリシンという成分を多く含むため、摂取することによって、消化を促し、鎮静作用や血栓予防効果も期待できるとされています。
また文部科学省の食品データベースによると、葉ねぎ(ネギの青い部分)にはβカロチンとビタミンK、葉酸、ビタミンC、カリウムなどが豊富。
これらは油と共に加熱することによって、栄養価が上がるというデータもあります。
根深ねぎと葉ねぎの特徴を併せ持つ「徳田ねぎ」は、美味しくて健康にも良い食材といえるでしょう。
今回「徳田ねぎ」を購入した岐南町内の産直店で「とにかく鍋料理がお薦め」と聞いたため、鍋料理を中心に調理・実食してみましたので、以下にご紹介します。

「徳田ねぎ」の鶏胸すき焼き風

まずは、すき焼き風の煮込み料理です。
お財布とお腹と相談して、あっさりとした鶏胸肉で作ってみました。

1)具材は、斜め切りにした「徳田ねぎ」、ざく切りにした白菜、シイタケ、エノキ、豆腐、薄切りの鶏胸肉です。「徳田ねぎ」は加熱するとカサが減るので、多めに用意するのがポイントです(今回2人分で8本使いました)。
2)鍋(フライパンでも可)にさとうと酒、みりん、しょうゆ(市販のすき焼きのタレでも可)を入れて煮立たせます。
3)鶏肉を入れて、ひと煮立ちしたら、白菜、シイタケ、エノキを入れます。
4)白菜に火が通ったら、豆腐と「徳田ねぎ」を入れ、ふたをして1~2分煮たら完成です。

すき焼き風の味付けは「徳田ねぎ」の甘みが際立って、とても美味しかったです。
「徳田ねぎ」は火が通りやすく、あっという間にクタクタになって歯応えがなくなってしまうので、様子を見ながら、お好みの状態になるよう調整してください(写真の調理例では、若干加熱し過ぎたため、クタクタになってます)。

「徳田ねぎ」の鶏しお鍋

鶏がらスープを使った中華風の味付けの鍋です。

1)具材は、斜め切りにした「徳田ねぎ」、食べやすい大きさに切り分けたマイタケ、エノキ、鶏もも肉です。「徳田ねぎ」は加熱するとカサが減るので、今回も多めに用意しました。
2)一口大に切った鶏もも肉に塩コショウを振って、片栗粉をまぶし、油をしいたフライパンで表面がきつね色になるまで焼きます。
3)鍋に鶏がらスープと酒を混ぜ合わせて煮立たせ、焼いた鶏もも肉、マイタケ、エノキを入れます。
4)マイタケとエノキがクッタリしたら「徳田ねぎ」を入れ、ふたをして1~2分煮たら完成です。

今回は加熱し過ぎることなく適切なタイミングで火から下すことができました。
「徳田ねぎ」はやわらかく、香りも優しいため、とても食べやすかったです。
具材からコクが出て、しみじみ美味しくいただきました。

「徳田ねぎ」の湯豆腐風鍋

シンプルに昆布だしのみの鍋です。

1)具材は、長めにざく切りした「徳田ねぎ」、ざく切りにした白菜、シイタケ、薄めに切ったかまぼこ、豆腐です。「徳田ねぎ」は青い部分のみ(次に紹介する「肉巻き」で白い部分を使うので)、今回も多めに用意しました。
2)鍋にだし昆布と水、酒を入れ、30分ぐらい置いておきます。
3)「徳田ねぎ」以外の具材を入れて、ふたをして加熱します。
4)白菜に火が通ったら、「徳田ねぎ」を入れてふたをし、約1分煮て完成です。付けダレは、しょうゆに、かつお節とおろししょうがを加えたものがお薦めですが、お好みで、麺つゆやポン酢でもいいと思います。

油を使っていないので、それぞれの具材本来の味わいが楽しめる、身体に優しい鍋です。

肉巻き「徳田ねぎ」

岐南町内にあるJAの産直店「おんさい広場はぐり」に掲示されていた「JAぎふ岐南支店考案・徳田ねぎ料理コンテスト人気No.1レシピ」を参考にして作ってみました。

1)「徳田ねぎ」の白い部分を約5センチの長さに切ります。
2)1)のネギを2本ずつ豚肉で巻きます。参考にしたレシピには牛肉を使うとありましたが、諸事情により今回は豚肉を使いました。
3)フライパンに油をしいて、2)を焼きます。
4)肉に焼き色がついたら、みりんと麺つゆ(すき焼きのタレでも可)を加えて煮からめます。
5)火を止めてから、みじん切りにした「徳田ねぎ」を振りかけて、ざっと混ぜ合わせたら完成です。

コックリとした甘辛の味付けに、トゥルッとなめらかな「徳田ねぎ」がよくマッチして、ご飯が進むおかずになりました。

体調を崩しがちな冬。
美味しくて健康にも良い「徳田ねぎ」を食べて、厳しい冬を乗り切りましょう。

※掲載情報は公開日時点のものとなります

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

名古屋生まれ、名古屋育ち。
季節の移り変わりを観察するのが大好きなアラフィフ世代。新聞記事制作や、出版社にてガイド本等の制作経験あり。
現在は、旅や町ネタに関する記事を執筆しています。観光や販促のお手伝いも。

目次