旬を食べよう~東海地方の伝統野菜~【木之山五寸(このやまごすん)にんじん】愛知県大府市

日本列島のほぼ真ん中辺りに位置する東海地方は、古くからモノやヒトの往来が盛んで、豊かな自然と過ごしやすい気候に恵まれていることもあり、野菜づくりが盛んな地でした。

そんな東海地方には、数々の伝統野菜が地産地消されており、野菜本来の「旬」や食文化を教えてくれる貴重な存在として親しまれています。

「あいちの伝統野菜」に選定されている「木之山五寸にんじん」
(愛知県大府市内の産直店で購入)
目次

大正時代から愛知県大府市でつくられてきた
甘みの強いニンジン

袋から出した「木之山五寸にんじん」
長さは15~16センチ、直径は5~6センチほど

年が明けて1カ月、私たちの日本列島は数度の寒波に見舞われ、カゼやインフルエンザなどの体調不良が心配な毎日が続いています。
これからの時期は、花粉症も心配です。
そこで、身体を内側から強化するのにいい食材を探していたら、まさに今、旬を迎えているニンジンがありました。

ニンジンには、体内に取り込まれるとビタミンAに変わるカロチンが野菜の中で飛び抜けて多く含まれており、ビタミンB、Cのほか、カリウム、カルシウムといったミネラル分も豊富。
特に、ビタミンAやCは、抗酸化ビタミンの代表格で、身体の抵抗力を高め、皮膚や口、目、消化管などの表面を滑らかに保つ作用があるとされています。

栽培方法の多様化によって年中店頭に出回っていますが、ニンジンの本来の旬は冬で、この時期のものは栄養価の含有量も甘みも多いとされるため、ぜひ献立に取り入れたい食材です。

昔から伝統を守りながら作り続けられている「あいちの伝統野菜」の中にもニンジンはいくつかあります。
その中から今回は、愛知県大府市の木之山地区で大正時代から作られている「木之山五寸にんじん」を取り上げたいと思います。

「木之山五寸にんじん」を縦に切ったところ

「あいちの伝統野菜」のHPでは、「木之山五寸にんじん」の特徴として「芯まで赤い、肉質が柔らかく、食味良好」と紹介されています。
また、生産地の大府市のHPでは「芯まで赤くて肉質が柔らかく短時間で煮えてしまうのが大きな特徴」と紹介されています。
いずれにしても、やわらかくて美味しいことは間違いなさそうです。

「木之山五寸にんじん」の旬は1~2月とされ、「JAあぐりタウンげんきの郷(さと)」など、大府市内の産直店で販売されます(確実に購入するなら、電話確認が必要です)。
「げんきの郷」の職員の方は、今期は夏の猛暑の影響で種まきが遅れ、例年11月ごろから始まる出荷も12月中旬までずれ込んだそうで、今は店頭にたくさん出ており、3月上旬ごろまでは販売できそうだ、とお話しされていました。

甘くて火の通りが早く、煮くずれしない
料理するのが楽しくなるニンジン

「木之山五寸にんじん」の特徴を味わうべく、いくつか実際に調理して食べてみたので、以下にご紹介したいと思います。

野菜スティックのみそマヨディップ添え

まずは、素材の味をそのまま楽しむために、野菜スティックにして食べてみました。

1)器にマヨネーズとお好みのみそを3:1の割合で、しょうゆとさとうを少量入れて混ぜ合わせて、「みそマヨディップ」を作ります。
2)旬の「木之山五寸にんじん」と、同じく今が旬のハウス栽培キュウリと、ダイコンを食べやすい大きさに拍子木切り(四角柱になるよう切る)します。
3)2の「木之山五寸にんじん」とキュウリ、ダイコンを適当なグラスに立てて盛り付けて、みそマヨディップを添えたら完成です。

生の「木之山五寸にんじん」は、かじるとポリッ、ポリッと、とても歯切れの良い食感で、とにかく甘い!です。
一口目は、ほのかにニンジン特有の香りを感じましたが、まろやかでコクのある「みそマヨディップ」が相殺する感じで、ほとんど気にならなかったです。
甘味とうまみの強い「木之山五寸にんじん」→水気が多いキュウリ→ダイコンの順に食べていくと、ちょうどいい感じのローテーションになります。
なかなかこの無限ループから抜け出せないくらい、ハマってしまいました。
「生のニンジンはクセが強いし、かたくて食べにくいのでは」と心配な方は、芯に近い部分を使えば、生といえど、かなりやわらかく、クセも少ないので、一度お試しあれ。
逆に、外側の皮に近い部分は、香りも味も強いので、お好みで使う部分を選ぶといいですよ。

「木之山五寸にんじん」のしょうゆ漬け

次は、とってもお手軽な浅漬けです。

1)「木之山五寸にんじん」を5ミリ程度の輪切りにして、さらに半月に切ります。
2)ポリ袋に1)と、全体に行き渡るぐらいのしょうゆを入れて(少量)、袋の口をしばります。
3)冷蔵庫で1時間~半日ほど置いたら、袋から出して完成です。

ニンジン自体が甘いので、漬け汁はしょうゆだけで充分です。
ご飯にとても合う漬物になります。

「木之山五寸にんじん」のラペ

愛知県の「あいちの伝統野菜」の紹介ページには、「おすすめ料理」として、「漬物、サラダ」とありましたので、サラダも作ってみました。

1)千切りにした「木之山五寸にんじん」をボウルに入れて塩こしょうを振り、ざっと混ぜてから10分ほど起きます。
2)しんなりした1)から汁が出ていたらサッと捨てて、酢とオリーブオイルを適量加えて、混ぜ合わせます。
3)乾燥バジルと砕いたクルミを混ぜ合わせたら完成です。
※にんじんが甘いので、さとうは必要ないと思いますが、酢の酸味が気になるという方は、少量のハチミツを加えると、まろやかになってより美味しく食べられます。
そのままでも美味しいですが、バゲットなどのパンと一緒に食べると、よく合います。

「木之山五寸にんじん」のポタージュ

旬の野菜で作ると美味しいポタージュ。
「木之山五寸にんじん」でも作ってみました。
分量は、作りやすい3~4人分で紹介しています。

1)小さめの早生のタマネギ1個を薄切りにし、バターを熱したフライパンで炒めます。
2)「木之山五寸にんじん」2/3本を厚めのイチョウ切りにし、1)に加えて、2~3分炒めます。
3)熱湯をひたひたになるまで加え(500ccぐらい)、フタをして約20分煮ます。
※途中で水分が少なくなり過ぎたら足します。
4)火を止めて少し冷めたら、ミキサーにかけます(水分は最初の半分ぐらいになっていてOK)。
5)鍋にお湯(200ccぐらい)とオニオンスープの素1人分を入れて火にかけ、4)を加えてよく混ぜます。
6)全体がよくなじみ、煮立ったら完成です。
※器に持ったら、コーヒーフレッシュを回しかけると見栄えがしますが、なくてもOKです。

甘めの仕上がりになりますので、5)の段階で、味をみながら塩こしょうを加えてもいいと思います。
こちらもパンと一緒に。
最後の一滴までパンでぬぐい取って食べたくなる美味しさです。

「木之山五寸にんじん」のまぜご飯

いわゆる「にんじんご飯」です。

1)作り始める1~2時間前に、干しシイタケは水で戻しておきます。
2)「木之山五寸にんじん」とレンコン、1)で戻したシイタケ、肉(鶏または豚)を食べやすく細く切ります。
3)鍋に2)を入れて、酒、みりん、しょうゆ、さとう、顆粒だしを4:4:4:1:1ぐらいの割合で加え、さらに1)の戻し汁を入れて、煮込みます。
4)煮汁が少なくなってきたら、斜めに細切りしたキヌサヤを加え、混ぜ合わせてもう一煮立ちさせたら、火を止めます。
5)4)を温かいご飯に混ぜ合わせたら完成です。

※各材料の種類や分量はお好みですが、「木之山五寸にんじん」をたくさん入れることをお薦めします(今回は1.5合のご飯に「木之山五寸にんじん」1本使いましたが、食べた人に「ニンジンはもっと多くていい」といわれてしまいました)。
煮込んでる間、結構ざっくりざっくりとかき混ぜましたが、「木之山五寸にんじん」は全く煮くずれしませんでした。

「木之山五寸にんじん」の沢煮椀(さわにわん)

小学生の時、学校給食で初めてにんじんを美味しいと思った思い出の料理が「沢煮椀」でした。
「げんきの郷」の職員の方が「木之山五寸にんじん」の美味しい食べ方として「汁物がお薦め」と話していたのもあって、作ってみました。

1)「木之山五寸にんじん」、ダイコン、ゴボウ、かまぼこ、豚肉を細長く切ります。
2)だし汁をたっぷりめに用意し、酒を適量入れて大きめの鍋で煮立たせます。
3)1)の具材を鍋に入れて10~15分煮ます。
4)しょうゆとみりん、塩こしょうを適量入れて、味をみながら調味します。
5)斜めに細切りにしたキヌサヤを加えて一煮立ちしたら鍋を火から下ろします。
6)水溶き片栗粉を加えて、全体を混ぜ合わせます。
7)再び鍋を火にかけて、かき混ぜながら1~2分煮立たせたら完成です。

「木之山五寸にんじん」と豚肉以外の具材は、冷蔵庫や野菜室の余り物で構いません。
また、最後の水溶き片栗粉によるとろみづけも、お好みで、無しでも充分美味しいです。

体調を崩しがちな冬。
美味しくて健康にも良い「木之山五寸にんじん」を食べて、厳しい冬を乗り切りましょう。

※掲載情報は公開日時点のものとなります

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この記事を書いた人

名古屋生まれ、名古屋育ち。
季節の移り変わりを観察するのが大好きなアラフィフ世代。新聞記事制作や、出版社にてガイド本等の制作経験あり。
現在は、旅や町ネタに関する記事を執筆しています。観光や販促のお手伝いも。

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