かつて、市街地の急速な発展によって「白い街」とも呼ばれた名古屋ですが、道路整備に合わせて街路樹の植栽に注力し、今では、市域における街路樹密度が全国の大都市でトップクラスにまでなりました。
2021年からは、街路樹の大木化や老朽化といった課題を解決し整備を進める「街路樹再生なごやプラン」も始まり、道路空間と調和した街路樹づくりが進められています。
「名古屋の街路樹」では、名古屋市内の、街路樹と街並みが調和した特徴的な風景を取り上げ、その魅力をご紹介していきます。

バス停も多く、
利便性の高い道路を彩る赤と白の花
春本番。
あちらこちらで春を謳歌する花たちが咲いているのを目にする時期になりました。
近年、名古屋の街路樹で本数を増やしている「ハナミズキ」も見ごろを迎えていると聞き、南区の西端を南北に縦断する県道225号(名古屋東港線)と、市道「豊田南北第17号線」&「豊田南北第13号線」を歩いてきました。
※本記事中の写真は全て2026年4月16日に撮影したものです。

南区の西部を南北に走るハナミズキの並木道は、内田橋を渡り切ったところにある「内田橋」交差点から始まります。
橋の上には、部分的に立体化している国道247号が通っていて、影を作っているため、目指す南方向が明るく見えて、期待が高まります。
この辺り一帯は、いくつもの国道や鉄道が通っているので、生活や物流の面でも重要なエリアなんだなあということがわかります。

期待通り、車道の両脇に、白いハナミズキの木立が見えてきました。

ほぼ満開といった咲き具合で、数メートルおきにハナミズキの木がたたずんでいました。

この並木道には、白い花の木が多いのですが、ごくまれにピンク色の花の木も見受けられます。

ちょうどタイミングよく、新幹線が通っているところを写真に収めることができました。

歩道橋から南側は、比較的赤い花の木が多いようです。

再び地上に降りて、赤い花と白い花が交互に植えられているエリアを堪能しました。
陽光が当たって、花びらが光っているように見えます。

この交差点は五叉路になっていて、普通の交差点(四辻)と比べると、南方向と東方向に向かう道の間に1本多く分かれ道があります。
南東方向に斜めに入っていくその道が、もう1本のハナミズキの並木道です(上の写真では、左側で市バスが停まっている道)。

また白い花の木が多くなってきました。

この道は、市道「豊田南北第17号線」と「豊田南北第13号線」(途中で切り替わります)。
県道225号(名古屋東港線)と比べると道幅は狭いですが、年季の入った、比較的大きめの街路樹(ハナミズキ)が多い印象です。

緑の多い公園のたたずまいと、街路樹の満開のハナミズキの赤や白の花がよくマッチして、とっても雰囲気のいい一角でした。
この道沿いには「泉楽」や「泉楽通」と付く地名が多いので、勝手にこの道を「泉楽通」と呼ぶのかと思っていたのですが、調べてみたら、泉楽通というのは地名(町名)で、道路の名称としては、市道・豊田南北線(第17号線&第13号線)ということでした。
さまざまな角度から
ハナミズキをクローズアップ

ほぼ満開ですね。
まぶしいほどの白が、青い空に映えます。

こちらもほぼ満開かな。
白い花の木よりも葉が多い印象です。

低いところで咲いていたので、じっくり観察できました。
一般にハナミズキの花びらと認識されている外側の4枚は、花を保護する役割を持つ「葉」の一種で、総苞片(そうほうへん)と呼ばれます。
中央に集まっている直径5ミリほどの小さな黄緑色の球体が本当の花(つぼみ)なのです。
総苞片が開いていても、本当の花はつぼみのままのこともあるので、よく見ないと、咲いているかどうかは判別できません。
本当の花の花びら(4枚)とメシベは、つぼみと同じ黄緑色、オシベが淡黄色なので、開花すると、オシベが一番目立ちます。

(総苞片が)赤い花も、中央に集まっている本当の花の色は黄緑色だということがわかります。
でもよく見ると、オシベが若干赤みがかっているように見えますね。

開き始めの総苞片はカールしていて、それぞれの先端がくっ付き合って、頭の上で手を使って「◯」を作っている人のように見えるのは、私だけでしょうか。
開花が進むにつれて、総苞片の先端が離れてガッツポーズ、さらに腕を思い切り広げて深呼吸…と、どの花を見ても、ポージングしている人のように見えて、思わず頬が緩んでしまうのです。

こちらも(総苞片が)白い花と同様に、可愛らしいポーズをとってくれていました。
よく見ると、総苞片の赤い色の出方が木によって違っていて、面白かったです。
また、葉のふち周辺が赤色っぽくなっているのも、白い花と違うところですね。

今回も、街路樹の足元には、さまざまな草花が咲いていましたが、特に印象に残ったこちらをご紹介させていただきます。
どちらも推定なのですが、ハナショウブとムラサキカタバミでしょうか。
すっきりと潔いハナショウブの紫紺色と、可愛らしいムラサキカタバミのピンク色の組み合わせがすごくいい雰囲気で、眼福でした。
今回ご紹介したハナミズキの並木道は、県道225号(名古屋東港線)の「内田橋」交差点から「三条」交差点までと、「三条」交差点から「竜宮町」交差点まで、また、市道・豊田南北線(第17号線&第13号線)が、それぞれ約1.2キロ。
合計すると約3.6キロになるので、距離的に少し長いような気もしますが、実際に歩いたら、ハナミズキたちの愛らしさに目を奪われて、あっという間に感じました。
葉の芽吹きや花の咲く姿というのは、心身に不思議な力を与えてくれるのだなあと実感した時間でした。
日々暮らす中で「な〜んかリフレッシュしたいなあ」となったとき、街路樹を眺めながらの散策は、なかなかいい方法だと思います。
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