岐阜県の清流・根尾川沿いをゆったりと走るローカル線「樽見鉄道」。桜の名所や景勝地として親しまれるこの路線で、これまでの鉄道旅のイメージを大きく塗り替える、刺激的でワクワクするアートイベントが行われます!
その名も「樽見OTO鉄道(Tarumi Sound Railway)」。

走る電車の「車窓の光や色の変化」に合わせてDJや生成音楽などのライブパフォーマンスを繰り広げるという、新感覚のサウンドイベントです!
2026年12月12日(土)・13日(日)に開催されるこちらのイベント。注目の見どころや企画の背景をご紹介します。
電車の窓の外は「楽譜」?移動と光が紡ぐ車内ライブ
「樽見OTO鉄道」の舞台となるのは、樽見鉄道の本巣(もとす)駅から終点の樽見(たるみ)駅までの約18.3kmの区間。本巣駅からしばらくは根尾川沿いの開けた土地ですが、その後は徐々に山あいへと進みます。途中の鍋原(なべら)駅を過ぎるとトンネルが連続する区間に入り、行路の前半と後半で異なる趣の景色を楽しめます。

そんな様々な顔を見せる樽見鉄道沿いの風景を生かし、「車窓から見える風景そのものを音楽の素材にする」のが今回のイベント。
出演アーティストたちは、走行区間の車窓の光や色、明るさの変化を記録したデータを見ながら、目の前に迫る風景の変化を感じ取り、その場・その瞬間にしか生まれない音を奏でます。乗客は薄暗くした車内で、窓から差し込む光と響き渡る音のコラボレーションを体感できる仕組みです。
アーティストが光や色をどう捉えるかによって、同じ沿線風景でも全く異なるサウンドスケープ(音景)になるため、その違いを楽しめるのも魅力ですね。
開催概要&運行時刻表
- イベント名:樽見OTO鉄道(Tarumi Sound Railway)
- 開催日:2026年12月12日(土)・13日(日)
- 会場:樽見鉄道 車内(本巣駅〜樽見駅の往復区間)
- 運行本数:各日2往復(12日・13日共通)
- 集合場所:本巣駅(岐阜県本巣市曽井中島)
- 公式サイト:https://www.tarumi-oto-railway.com/
- 公式SNS:Instagram X
運行ダイヤ(12日・13日共通)
| 便 | 行き(本巣発 ➔ 樽見着) | 帰り(樽見発 ➔ 本巣着) |
| 1本目 | 本巣 11:16 ➔ 樽見 11:49 | 樽見 12:03 ➔ 本巣 12:35 |
| 2本目 | 本巣 15:43 ➔ 樽見 16:16 | 樽見 16:28 ➔ 本巣 17:00 |
※途中下車はできません。
出演アーティスト
DJ、ライブコーディング、サックス演奏など、多彩なパフォーマンスの8組が出演します。
- Orchest-Lab(“ELECTRONICOS FANTASTICOS!” Orchestra×Lab Team)
- braven
- HTK
- Kei Kimura
- Lullatone
- Mio Takeyama
- Soma Oishi
- YNSK(Thir(s)ty One)
※詳細情報は樽見OTO鉄道公式SNSをご確認ください。
一度は途絶えた文化の灯を次世代へ。企画に込められた想い
もともと樽見鉄道では、岐阜県大垣市の「情報科学芸術大学院大学[IAMAS(イアマス)]」のプロジェクトとして、列車内をクラブ空間に変貌させる音楽イベント「CLUB TRAIN(クラブトレイン)」が長年開催されていましたが、人員不足や経営上の問題から2003年を最後に休止していました。
当時IAMASの学生としてCLUB TRAINに関わっていた山岸さんが、「この素晴らしい体験をもう一度」と、過去の課題や運行条件を見直し、樽見鉄道と何度も議論を重ねた結果、今回のイベントの開催に漕ぎつけたそうです。

さらに企画にあたっては、車窓の景色を撮影して位置情報と明暗の変化をマッピングするなど綿密な調査を実施。樽見鉄道ならではのユニークな地形と「時刻表通りに走れば風景の移り変わりが再現される」という鉄道の特性に着目し、景観そのものをパフォーマンスの素材として昇華させる「樽見OTO鉄道」が誕生しました。
フカボリコラム:セメント輸送から地域の足へ ― 樽見鉄道の歩み
大垣駅から樽見駅までの全長34.5kmを結ぶ樽見鉄道は、もともと旧国鉄の「樽見線」として開業しました。一度は廃止の危機に直面したものの、1984年に全国に先駆けて第三セクター「樽見鉄道」として再出発。本巣駅近くにあった住友大阪セメント(旧住友セメント)岐阜工場からのセメント貨物輸送をメインに、中部エリアのインフラ建設や産業発展を陰で支え続けてきた歴史を持っています。
2006年に貨物輸送が終了してからは、沿線の豊かな自然を活かした地域活性化に力を入れており、地元の山菜を味わう「薬草列車」や冬の味覚を楽しむ「しし鍋列車」といった名物企画列車を運行。地域資源と鉄道を組み合わせたファンづくりを続けています。


※情報は掲載日時点のものです
