
愛知県豊橋市にある「豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)」。パーク内で暮らす動物たちやのびのびと育つ植物たちの日常や季節のイベントなど、パーク内の様子を「のんほいの窓」から定期発信します!
2023年から保全団体や研究機関などの協力のもと、国内で絶滅の危機にあるアカモズの飼育下での保全活動がスタートし、世界で初めて人工ふ卵や育雛にも成功しました。生息地以外でアカモズを観察できるのはのんほいパークだけなのだとか!
今回は、貴重なアカモズの生態のほか、保全活動への取り組みについてご紹介します♪
絶滅の危機にあるアカモズってどんな鳥?
日本で見られるアカモズは、春から秋を日本で過ごし、暖かい東南アジアで越冬する渡り鳥です。全長は約20cm、体重は30gほど。同じモズ科のモズに似ていますが、体はややスリムで頭頂から背にかけて赤褐色の羽毛で覆われているのが特徴です。明るい林や果樹園に巣を作り、草地でエサを採って暮らしています。
日本では北海道と長野県の一部でのみ見られるアカモズですが、以前は一般的によく見られる鳥でした。生息地の減少などによって、近年は個体数が激減しており、今では全国で200羽ほどしか生息していないそうです。
アカモズの飼育下での保全をのんほいパークでスタート
アカモズは環境省のレッドリストの絶滅危惧1B類と、国内希少野生動物種に指定されています。本州では早ければ2026年に絶滅する可能性があり、飼育下での保全事業が必要と考えられたため、のんほいパークでもアカモズの保全に向けた取り組みを実施しています。
ここからは、のんほいパークでの具体的な取り組みや成果についてご紹介します。
世界初の人工ふ卵・育雛に成功!

のんほいパークでは、ほかの動物の影響などによって親鳥が放棄した巣に残された卵を保護し、ふ卵器で温めてふ化させて育てています。また、親鳥が亡くなった雛も保護し、育てています。
ふ化してすぐのアカモズの雛は、体重が2gほど。成長に合わせて育雛器の温度を変えたり、エサの大きさや量、給餌回数を調整したりと、細心の注意を払っています。
7月からのんほいパークで一般公開が始まる
試行錯誤しながらアカモズの保全に取り組んだ結果、2023年に世界で初めてアカモズの人工ふ卵・育雛に成功しました!今年も成功しており、7月からは、昨年育ったアカモズ1羽の一般公開をスタートしています。
今後ものんほいパークでは、飼育下でのペア形成や繁殖などにも取り組み、アカモズの保全をさらに推進していきます。野鳥園の観覧通路からアカモズが観察できるので、貴重な姿をぜひチェックしてみてください♪
絶滅の危機にある動物を守る。まずは知ることから始めよう
のんほいパークの野鳥園では、アカモズの様子が観察できるほか、保全活動についてパネルで学ぶこともできます。絶滅の危機にある動物を知ることで、これから私たちに何ができるかを考えるきっかけになるかもしれません。
今ある自然を未来に残すために、まずはのんほいパークへ行って動物について知ることから始めてみませんか!
豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)
公式HPはこちらhttps://www.nonhoi.jp/
※記事内の情報は公開日時点のものになります。