今年の春は遅い。去年が異常に早かったこともあり、余計にそれを感じる。ようやく暖かい日になったと思っていると、突然、雪が降る。春の花たちもとまどっていることだろう。
愛知県東部、ほの国東三河の遅い春。それでも必ず花たちは美しい姿を見せてくれる。
新城市長篠の廃線跡トンネルの向こうに見える河津桜の並木道。トンネルをくぐると、そこには美しい桜のトンネルが待っている。
にっぽんの里100選に選ばれている川売（かおれ）。奥三河の桃源郷、川売梅の里が3月下旬になってようやく色づきだした。静かな山里に佇む民家と梅林、そこに流れる小川とせせらぎの音、澄んだ空気。何度来ても心癒される。
さらに奥へ車を走らせ設楽町へ。１本木の神田（かだ）の黒梅の姿を見に行った。細い道を曲がると思ったほど花がついていない。もう終わってしまったかと近寄ると、まだつぼみが残っていた。まだまだこれから美しい花を咲かせてくれるようだ。隣で寄り添う馬酔木の白い花とのコントラストも美しい。
設楽町田口にある福田寺。武田信玄ゆかりの寺には春を待ってザゼンソウの花が咲く。仏像が座禅を組む姿に似ていることから名づけられたとおり、しっかりと美しい姿で花をつけていた。
再び新城に戻り、四谷の千枚田にも寄ってみた。四季の風景が好きで、年に何度も訪れているが、春の訪れとともにさりげなく桜が咲き始めていた。
木下しだれ梅園は、まさに超満開。「今年は遅かったけど、ここ３日くらいがピークだろうね」と管理人のお話。見事なしだれぶりを堪能した。
最後は、新城市作手のミツマタ群生地へ。夕暮れだったこともあるが、誰もいなかった。こんなにも美しい黄色の絨毯を見せてくれているのに。朝の光に照らされるミツマタが美しいのは知っている。けれども、夕方のしっとりした雰囲気も捨てがたい。
■ほの国東三河めぐり
ほの国東三河ではこれからも春の花は続く。公式インスタグラムでは毎日、旬な情報が発信されている。
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