東海さすらい旅日記【静岡県浜松市】天竜二俣駅、日本の原風景的駅風景

 天浜線の愛称で親しまれている天竜浜名湖鉄道。本社を構える天竜二俣駅は、木造の駅舎のほか、電車の方向を変える現役の転車台や扇形に広がる木造の車庫など昭和初期そのままの姿が残されている。何度も訪れている駅だが、初めて見学ツアーに参加し、その鉄道遺産たちを体感した。

 駅舎の改札を抜けるとそこにも木造屋根のプラットホーム。もちろん、改札には自動改札などはない。新旧織り交ざった駅ではなく、いずれも現役の旧である。そこにこの駅の価値があり、郷愁を誘う。

 ホームを抜け、ここからは見学ツアー参加者のみの限定ゾーンへ。運転指令室なのか、乗務員の休憩室なのか宿舎なのか、古い小学校の校舎のような建物を抜けていく。この辺りのイメージが、アニメに登場し、鉄道ファンのみならずアニメファンも多く訪れるという。

 アニメのことは全く知らないが、その古いままの佇まいが、日本の原風景のモデルとして選ばれた理由はわかるような気がした。小さな神社や、遺産っぷりを存分に発揮するタンク。これらを抜けると見学ガイドツアーのメイン、転車台へ。

 転車台は現役として活躍しているが、見学に合わせて鉄道の方向転換を実演してくれる。転車台の奥には、木造の扇形車庫。車庫の数は減ったらしいが、鉄道遺産としての重い存在感。

 車庫の横には鉄道博物館。この博物館も木造の建物のなかにあり、歴史を語るさまざまな展示物たちも居心地はよさそうだ。見学ガイドツアーはここで終わるが、この鉄道博物館だけでも十分に見る価値がある。

 天浜線は、湖西市の新所原駅から掛川市の掛川駅間を約2時間で結ぶローカル線。途中、浜名湖の絶景や田園風景を眺めながらののんびり旅ができる。のんびり旅をするなら、天竜二俣駅へは途中下車したい。そこには、忘れかけている日本の駅の原風景が待っている。

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この記事を書いた人

愛知県豊橋市生まれ。
出版社、シンクタンク勤務を経て、現在は一般社団法人ほの国東三河観光ビューローのマーケティングディレクター。旅人総研代表。愛知大学地域政策学部非常勤講師(観光まちづくり論)。
東海地方を中心に、地域を盛り上げる観光事業や集客計画など、手がけてきたプロジェクトは数知れず。生まれ育った愛知県東三河に腰を据え、地元活性のために奔走する。また、旅人総研代表として、講演やフォトラベライター(旅するカメラマンライター)などの個人活動も実施。旅と写真とロックを愛する仕事人で、公私ともに、さすらいの旅人として各地を巡っている。

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