
岐阜県高山市の飛驒高山美術館で、企画展「ジャポニスムとアール・ヌーヴォーの巨匠たち~東洋と西洋の自然への想い~」が2027年2月15日(月)まで開催されています。エミール・ガレをはじめとするアール・ヌーヴォーの巨匠たちが、日本の美術や精神性から受けた影響とその作品世界を紹介する企画展です。東洋と西洋、二つの美意識が響き合う空間へ、足を運んでみませんか。
日本美術との出合いが紐解く、3つの見どころ
19世紀末、日本美術は海を越えヨーロッパの芸術家たちに大きな衝撃を与えました。浮世絵に見られる大胆な構図や自然への繊細なまなざしは、新たな表現を模索していた芸術家たちの創作意欲を刺激し、「ジャポニスム」と呼ばれる文化現象へと発展したのです。
本展では、展示作品や空間演出を通じて、東洋と西洋の美意識が響き合う様子を感じられます。ここでは、そんな本展の見どころを3点にまとめてご紹介します。
1.日本への憧れが生んだ新たな芸術表現

19世紀末のヨーロッパで広がったジャポニスムは、美術や工芸の世界に大きな変化をもたらしました。本展では、日本の自然観や装飾文化に魅了された芸術家たちが、それらをどのように作品へ取り入れたのかに焦点が当てられています。異なる文化が出合うことで生まれた、新たな芸術表現の広がりが感じられます。
2.自然へのまなざしが結ぶ東西の感性

草花や昆虫、鳥など、自然界の小さな生命に向けられた繊細な観察眼は、日本美術とアール・ヌーヴォーに共通する大きな特徴のひとつです。本展では、巨匠たちが自然の造形美をどのように捉え、ガラスや家具へと表現したのか、生命の息吹までも写し取ろうとした精緻な技巧の数々を見ることができます。
3.飛騨高山で再発見する日本の美

古い町並や高山祭など、日本の伝統文化が今なお息づく飛騨高山。この地で西洋の芸術家たちが憧れた「日本の美」を見つめ直すことで、私たち自身が当たり前に感じてきた日本の魅力をあらためて感じられるかもしれません。光・音・香りによる没入感のある演出とともに、時代や国境を越えた美意識の交流を楽しんでみましょう。
本展を象徴する、エミール・ガレの作品
ここでは、本展を象徴する3つの作品をご紹介します。いずれもエミール・ガレによるもので、日本美術との出合いが独自の表現へと昇華されていく過程がうかがえる作品ばかりです。
エミール・ガレ《菊花紋鶴首花瓶》

制作地:フランス/制作年:1900年頃
菊花が咲き広がるような優雅な意匠と、すらりと伸びる鶴首形のフォルムが印象的な花瓶。繊細な装飾と伸びやかな曲線が調和し、静けさの中に凛とした気品をたたえています。展示室の冒頭を華やかに彩る、本展の世界観を象徴する作品です。
エミール・ガレ《装飾扇「闘鶏」》

制作地:フランス/制作年:1878年
ガラスを扇形に成形し、闘鶏や古伊万里を思わせる図案をエナメル彩で精緻に描いた初期の代表作。羽根や眼差し、くちばしまで細やかに描き分けられた鶏の姿には、今にも動き出しそうな生命感が宿ります。日本美術との出合いが、ガレ独自の表現へと昇華されていく過程を静かに物語る一作です。
エミール・ガレ《ネストテーブル》

制作地:フランス/制作年:1900年頃
4台のテーブルが入れ子状に重なる、機能性と装飾性を兼ね備えた家具です。脚部にはダリアの彫刻、天板には植物文様の象嵌が施され、それぞれ異なる花模様が空間に豊かな表情をもたらします。ガラス工芸の枠を超え、暮らしそのものを美しく彩ろうとしたガレの創作世界を感じてみてください。
子ども向け企画「いきものを探せ!」も同時開催!

展示作品に施されたいきものを探す鑑賞体験企画「いきものを探せ!」も同時開催されています。それぞれの作家がいきものや自然をどのように見ていたのかに注目することで、アール・ヌーヴォーやアール・デコのガラス作品への理解が深まり、夏休みの自由研究にもおすすめです。夏休みの思い出づくりに、親子で参加してみませんか。
期間:〜2026年9月30日(水)
時間:10:00〜17:00
料金:無料 ※別途、美術館入館料が必要
内容:美術館受付でワークシートを受け取り、写真に写ったいきものがどの作品に施されているかを自分のペースで探します。記入後は受付スタッフが回答をチェックし、全問正解でステッカーをプレゼント。
※小学生以下の子どもは保護者の同伴が必要
飛騨高山で出会う、東洋と西洋の自然美
「ジャポニスムとアール・ヌーヴォーの巨匠たち~東洋と西洋の自然への想い~」は、日本美術がヨーロッパの芸術家たちに与えた影響と、そこから生まれた独自の美意識を、エミール・ガレをはじめとする巨匠たちの作品を通じて感じられる企画展です。飛騨高山という土地ならではの文化と重ね合わせながら、光・音・香りが織りなす幻想的な空間で、東西の自然への想いに触れる時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
「ジャポニスムとアール・ヌーヴォーの巨匠たち~東洋と西洋の自然への想い~」開催概要
期間:〜2027年2月15日(月) ※会期中無休
時間:10:00〜18:00(最終入館17:00)※最終日のみ10:00~12:00(最終入館11:00)
所在地:岐阜県高山市上岡本町1丁目124番地1(サンクチュアリコート高山 併設)
入館料:一般 大人2,000円/大学・高校生1,800円/中学生1,300円/小学生500円
※地元割・障がい者手帳割引あり
公式サイト:https://htma.rtg.jp/event/detail/?event=00030
問い合わせ:0577-40-1007(飛驒高山美術館 8:00〜18:00)
※掲載情報は公開日時点のものとなります
