東海さすらい旅日記【三重県】志摩半島から紀伊半島、シーサイドロードの旅②

 紀北町の宿を出て、東紀州を先へ進む。尾鷲を抜け、熊野へ。熊野より先は未踏の地だ。旅への好奇心の原点でもある〝まだ見たことのない地″へ。そしてその先の県境越えの南紀までの海辺のドライブ旅、後編。

 熊野市内、熊野灘沿岸部は世界遺産の構成資産が続く、まさに世界遺産ロードだ。熊野古道自体は今回歩かなかったが、海沿いに続く世界遺産群は、まさに世界に選ばれた風格すら漂う。まずは鬼ヶ城からスタート。圧巻の巨岩が続く散策路は海の美しい景色と相まって、自然の力強さを感じる。

 鬼ヶ城を抜けると、延々と続く浜辺が美しい七里御浜。そして、獅子が吠えているかのような獅子岩。夏草が鬚のように生えていたのはご愛敬。

 そして日本最古の神社と言われる花の窟(いわや)神社。社殿はなく、高さ約45mの巨巌そのものが御神体となっており、荘厳さを感じる。

 世界遺産ロードを離れ、少し内陸の丸山千枚田へ。さすが日本の棚田100選、貫禄の美しさ。田植え後の青々とした田んぼ風景に心癒される。

 再び海辺の国道41号に戻り、南紀方面へ。紀宝町はうみがめの町。紀北町のマンボウに続いて海の生物をテーマとする道の駅。悠々と泳ぐうみがめを見て、三重県を後にした。

 このブログは東海地方の旅日記だが、旅の流れで和歌山県のことも。旅に県境や市町村境は関係ない。このエリア一帯の魅力として感じてほしい。くじらの町、太地町を抜け、海辺の奇岩、橋杭岩へ。そして、翌朝は、世界遺産、那智の滝へ。

 再び三重県へ戻り、最後は三重県立熊野古道世界遺産センター。尾鷲ヒノキをふんだんに利用した建物も素晴らしいが、熊野古道を紹介する展示自体からの学びが多く、じっくり時間をかけて見る価値がある。今回の旅では最後に寄ったが、熊野古道旅をするなら最初に立ち寄りたい。

 伊勢志摩から東紀州への旅。まだ一部とぎれとぎれであるが、以前より道路網が整備されており、行きやすくなった。とぎれとぎれの道路が繋がると、伊勢志摩から東紀州、そして南紀の世界遺産へのルートは東海地方においては最強ルートのひとつになると思う。それくらい価値のある観光資源が続く。

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この記事を書いた人

愛知県豊橋市生まれ。
出版社、シンクタンク勤務を経て、現在は一般社団法人ほの国東三河観光ビューローのマーケティングディレクター。旅人総研代表。愛知大学地域政策学部非常勤講師(観光まちづくり論)。
東海地方を中心に、地域を盛り上げる観光事業や集客計画など、手がけてきたプロジェクトは数知れず。生まれ育った愛知県東三河に腰を据え、地元活性のために奔走する。また、旅人総研代表として、講演やフォトラベライター(旅するカメラマンライター)などの個人活動も実施。旅と写真とロックを愛する仕事人で、公私ともに、さすらいの旅人として各地を巡っている。

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