新連載・東海さすらい旅日記スタート!第1回は「ジブリパーク、ようこそ愛知へ。」

「中日旅行ナビ ぶらっ人」(https://tabi.chunichi.co.jp/)の国内ブログで新たに東海さすらい旅日記の連載がスタートしました!旅人総研代表の田中三文(たなか みつふみ)さんが講演やフォトラベライター(旅するカメラマン)などの個人活動を行いながら、さすらいの旅人として各地を巡り、東海地方の魅力をお伝えしていきます。

記念すべき第1回は「ジブリパーク、ようこそ愛知へ。」をお届けします。

目次

ジブリパーク、ようこそ愛知へ。

愛・地球博記念公園。かつての愛知青少年公園が、愛・地球博(愛知万博)の会場となり、その跡地が記念公園となった。あれから17年、2005年の記憶は今も新しい。ボランティアスタッフに登録していた僕は、3月25日の開幕日と9月25日の閉幕の日にゲートに立っていた。開幕日は、小雪が舞い、震えるような寒さ。慣れない声をあげながら、できたばかりのリニモの駅へお客さんを誘導した。茨城県から団体バスでやってきたという女性の方から、「寒いのにご苦労様、ありがとう。楽しかったよ。」と声をかけられた。その時の女性の笑顔を忘れない。もう日が落ちて、暗くなる時間だった。お客さんに喜んでもらうことって、こんなにも嬉しいことなんだと気づいたのだった。「ありがとう。楽しかったよ。」そのシンプルな言葉は、その後、何年も観光に関わる仕事をしていくうえでとても重要で大切な言葉にもなった。

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 17年の時を経て、愛・地球博記念公園にジブリパークがやって来た。今年の11月1日の第1期開園では3エリア。来年度中にはさらに2エリアが公園内に誕生する。それぞれのエリアの間は、公園の無料ゾーン。のんびりお散歩中のご年配の方も、犬連れの家族の方も、これまで通りの公園として楽しめる。そこが公園内の施設と位置付けられるジブリパークの良さでもある。

 映画鑑賞体験が多ければ多いほど、ジブリ愛が深ければ深いほど、このジブリパークは楽しめる。もちろん、ジブリ体験が少ない人でも、スタジオジブリ作品の世界を忠実に表現した展示や演出は、どこか懐かしく、心が暖まり、初見でも心動かされるものがあるだろう。どこまでもリアルを追及し、細部までこだわりを持った巧みな作りこみは流石である。

 第1期開園は、「ジブリの大倉庫」、「青春の丘」、「どんどこ森」の3エリア。「ジブリの大倉庫」にはジブリ作品の展示物があふれんばかりに詰め込まれている。それぞれの記憶や思い出が蘇る倉庫。

 「青春の丘」は、『耳をすませば』の地球屋が建てられている。

 「どんどこ森」には『となりのトトロ』に登場する「サツキとメイの家」がある。

 それぞれのエリア間にはバスも運行する。バスに乗って公園を眺めるもよし、のんびり風を感じながら公園を歩くもよし。それぞれの過ごし方で、ジブリパークを楽しめるのがよい。

 ジブリパークを後にし、リニモの駅からの帰り道。この公園のシンボルの観覧車の向こうに陽が沈む。優しい気分にしてくれたジブリパークの余韻が家路にまで繋がっていく。

 ジブリパークでは、これから何十万、何百万もの出会いがあり、「ありがとう。楽しかった。」が繰り返されていくのだろう。愛知にそんな新しい出会いの場所が出来たことが嬉しい。ジブリパークが愛知に来てくれたことが素直に嬉しい。ジブリパーク、ようこそ愛知へ。全国、いや、全世界の皆さん、そんな「ジブリパークのある愛知」へようこそ。

©Studio Ghibli

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この記事を書いた人

愛知県豊橋市生まれ。
出版社、シンクタンク勤務を経て、現在は一般社団法人ほの国東三河観光ビューローのマーケティングディレクター。旅人総研代表。愛知大学地域政策学部非常勤講師(観光まちづくり論)。
東海地方を中心に、地域を盛り上げる観光事業や集客計画など、手がけてきたプロジェクトは数知れず。生まれ育った愛知県東三河に腰を据え、地元活性のために奔走する。また、旅人総研代表として、講演やフォトラベライター(旅するカメラマンライター)などの個人活動も実施。旅と写真とロックを愛する仕事人で、公私ともに、さすらいの旅人として各地を巡っている。

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