東海さすらい旅日記【愛知県武豊町】たけとよ・醸造文化のまちめぐり

 発酵食を地域資源とする観光が愛知県内でひとつのブームになっている。愛知県内各所には、常滑や半田、岡崎など古くからの発酵食文化が伝わり、残され、現役として製造を続けている地域がある。みそとたまりの町・武豊町もそのひとつ。何度も知多半島へは訪れているが、武豊町とは縁がなかった。そこに旅行会社の着地型ツアーの募集を目にした。

 古民家レストランと醸造所めぐり。行ったことのない町への旅に、そもそもそそられる。旅行ツアーとはいえ、団体ではなく個人参加のプログラム。指定された時間以外は自由に過ごせるのがいい。

 古民家レストラン「かもそう食堂」は地域の人気飲食店。コンビニの隣の一角にその姿はあった。小さな庭付きの古民家。アプローチから雰囲気を醸し出す。店内はシックで落ち着いた雰囲気。ガラスの窓ごしに庭が見えるカウンター席もある。丁寧なメニューの説明を受け、発酵ご飯のランチを済ませた。

 ランチ後はツアープログラムにはない醸造のまちめぐりへ。レストランからほど近いところに、醸造所が集っている。こんな食文化風景が残されていたとは知らなかった。昔からのつくりの工場とその間の小路。黒塗りの建物が醸造のまちの雰囲気を醸し出す。

 少し歩くと別の所にも醸造所の集積地区があった。古くからの醸造所の雰囲気が残され、蔵の間の路地裏風景も興をそそる。小さな神社や祠なども各所にあり、生活文化との密接な関係を伺わせる。入り組んだ路地の雰囲気からもかつてここを大八車などが行き交っていた風景を想像する。

 場所を変えて、旅行プログラムにあった中定商店へ。ここには醸造文化を伝える「醸造伝承館」がある。予約制の蔵の見学案内は、6代目当主が務めていただいた。まさに歴史文化のある現役の蔵を当主の解説で見学できる贅沢を味わう。

 蔵見学の後は、ショップでたまりの味くらべ。それぞれの味の違い、自ずと手が伸びる。お土産でいただいたたまりと購入したたまり。当面、武豊産のたまり醤油文化がわが家に残る。

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この記事を書いた人

愛知県豊橋市生まれ。
出版社、シンクタンク勤務を経て、現在は一般社団法人ほの国東三河観光ビューローのマーケティングディレクター。旅人総研代表。愛知大学地域政策学部非常勤講師(観光まちづくり論)。
東海地方を中心に、地域を盛り上げる観光事業や集客計画など、手がけてきたプロジェクトは数知れず。生まれ育った愛知県東三河に腰を据え、地元活性のために奔走する。また、旅人総研代表として、講演やフォトラベライター(旅するカメラマンライター)などの個人活動も実施。旅と写真とロックを愛する仕事人で、公私ともに、さすらいの旅人として各地を巡っている。

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