東海さすらい旅日記【瀬戸市】芸術の秋、「国際芸術祭あいち2025」めぐり②

 愛知での3年に1度の芸術祭「国際芸術祭あいち2025」。朝一番の開場時間から愛知芸術文化センターをひと通り鑑賞し、車で移動し瀬戸市の愛知県陶磁美術館へ。時間配分もちょうどよく陶磁美術館の閉館時間まで滞在し、2つの会場を時間内で観賞できた。

 この美術館へ来たのは多分、3回目だと思う。この美術館の落ち着いた空間が好きだ。どうりで建築家・谷口吉郎さんの設計だということは後で知った。

 正面の駐車場は満車で、裏側の駐車場から会場へ。つまり、裏口から入ることに。まず最初のアートは、「凸と凹」。土を掘り、その土を叩いて固める「版築」という技法を用いた作品。掘り下げた作品と、盛った作品が別々の2箇所で展開される。両方見ることでその意味がよりわかる作品。

 本館を入るとインパクトある作品「眠れるヘビ」。黒人女性の主体性をめぐる問題や厳しい現状を表現したと言う。

 会場が陶磁美術館であることから、陶磁器を使った作品が主体となっており、その後で見る同美術館のコレクション展とも違和感はなく、美術館全体で総合的に観賞が楽しめる。

 屋外展示もあるのが、丘陵地に位置するこの美術館の良さでもある。緑の丘の上に夏らしい青い空と白い雲。そこに佇むアートが風景と一体となっている。

 美術館に隣接する「デザインあいち」では、体育館のような広い空間に作品が並べられる。愛知芸術文化センターと同様に、こちらの会場も全体的にゆったりとした空間展示が行われている印象。

 3回目の訪問でその存在を知った茶室「陶翠庵」。小さな扉をくぐる小部屋では映像のインスタレーション。茶室全体も展示空間になっており、ここもいい空間だった。

 陶磁美術館会場で併せて観賞できるのが、同美術館2階で開催されているコレクション展。世界の貴重なやきものが展示されており、これらを見るだけでも価値がある。

 名古屋の愛知芸術文化センターから瀬戸の愛知県陶磁美術館へと1日で回った。そして、日を改めて瀬戸市のまちなか会場へ。(つづく)

■国際芸術祭あいち2025 
 https://aichitriennale.jp/

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この記事を書いた人

愛知県豊橋市生まれ。
出版社、シンクタンク勤務を経て、現在は一般社団法人ほの国東三河観光ビューローのマーケティングディレクター。旅人総研代表。愛知大学地域政策学部非常勤講師(観光まちづくり論)。
東海地方を中心に、地域を盛り上げる観光事業や集客計画など、手がけてきたプロジェクトは数知れず。生まれ育った愛知県東三河に腰を据え、地元活性のために奔走する。また、旅人総研代表として、講演やフォトラベライター(旅するカメラマンライター)などの個人活動も実施。旅と写真とロックを愛する仕事人で、公私ともに、さすらいの旅人として各地を巡っている。

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