志摩スペイン村が開業して30周年を迎えたという。当時、世はバブル真っ盛り。
日本中にリゾート・テーマパークブームが起こり、各地で外国村計画も目白押しの頃だった。その頃、アミューズメント雑誌を作っていたこともあり、開業前のプレス発表にお邪魔させていただいた。まだ若かった編集スタッフはカメラマンさんと撮影をしながら取材を楽しんだ。

スペイン村へはその後、子どもたちを連れて泊りがけで遊びに行った。自虐的に「空いていて快適」とのうたい文句で最近ブレークしたが、その頃からそれを感じた。子どもたちはこれ以上ないくらいにパークを満喫し、家族の楽しい思い出としても最上クラスのいい思い出が残っている。


そんな志摩スペイン村を訪れた。約20年ぶり3度目の訪問。遊園地ゾーンだけでなく、展示ゾーンまで隅々まで歩いた。まず、感慨深かったのが、入口正面にあるメインストリート。アミューズメント雑誌の表紙を飾ったゲートのデザインがまだ残されていた。あっ、表紙のゲートだ。30年ものの風景が感慨深い。表紙のデザイナーさんの切り取り方も好きだった。ああ、こういう風にしてデザインするんだと。

クリスマスシーズンの夕暮れ。園内はイルミネーションやクリスマスツリーで彩られ、華やかな空間が続く。このパークは夕暮れが似合う。そして日が暮れて行くにしたがってパーク全体が光で演出されていく。



パーク内の高いところから志摩の海に沈む夕日が見える。テーマパークのにぎやかさを忘れ、しばし心落ち着く。

当時、あまり気づいていなかったのが園内のランドスケープ。角を曲がれば見える風景、ゲートをくぐると覗く風景、ここかしこに視覚を意識したつくりが見られ、そのきめ細かさに改めて感心した。


ホテル志摩スペイン村で休息した翌朝。部屋のカーテンを開けると穏やかな朝やけ。まさに地中海にいるかのような最上級の気分を味わった。

