かつて、市街地の急速な発展によって「白い街」とも呼ばれた名古屋ですが、道路整備に合わせて街路樹の植栽に注力し、今では、市域における街路樹密度が全国の大都市でトップクラスにまでなりました。
2021年からは、街路樹の大木化や老朽化といった課題を解決し整備を進める「街路樹再生なごやプラン」も始まり、道路空間と調和した街路樹づくりが進められています。
「名古屋の街路樹」では、名古屋市内の、街路樹と街並みが調和した特徴的な風景を取り上げ、その魅力をご紹介していきます。

名古屋市内でも珍しい「バラの街路樹」
名古屋市の北西部に位置し、市で最も古い区のひとつ「西区」。
その南部には、「バラの街路樹」があります。
バラは「天神山」交差点を基点に、南北の市道「菊井町線」と東西の市道「弁天浄心町線」に植えられており、西土木事務所のご担当者の話では、街路樹としてこれだけまとまって見られるのは、市内ではほかにないようで、以前は株数がもっと多かったけれど、枯れたりして激減し、5年ほど前からまた少しずつ増やしているとのこと。
大部分が四季咲き種のため、初夏と晩秋の年2回、花が楽しめるそうです。
※本記事中の写真は全て2025年5月29日に撮影したものです。

西区のバラの街路樹の南端にある那古野交差点。
ここから北に向かって2キロ弱、適度に空間をあけながら、バラの街路樹が続きます。
※中央分離帯に植えられているため、車両の安全通行の妨げにならないよう、全体的に低めにせん定されているそうです。

真上から見ると、真ん中の白い柵の左右にバラが植えられている様子がよくわかりますね。

バラの植栽が続く範囲の前後には、淡緑色のデザインプレートが立っていて、いい雰囲気です。

背丈は低いですが、鮮やかな色のバラが咲いていました。

ちょうど「名古屋天神山郵便局」の前の辺りで、赤やピンクのバラがきれいに咲いていました。

背景にそびえ立つ「名駅のビル群」は迫力があり、名古屋駅が近いことを実感します。
基点は「天神山」交差点

前方の交差点は「浄心」交差点で、上には名古屋高速も走っています。
ここから「弁天通」交差点までの約0.8キロが、東西のバラの街路樹になります。
※細かい話ですが、東西の弁天浄心町線には、バラのデザインプレートが見当たりませんでした。

日当たりなどの関係でしょうか、南北の菊井町線の方は咲き具合が早かったようで、既に盛りを過ぎている花が多かった印象ですが、東西の弁天浄心町線は現在進行形で満開の花が多く見られました。

この「弁天通」交差点が、バラの街路樹の北東の端です。
周辺は、飲食店や雑貨店、生活用品店等が立ち並ぶ「弁天通商店街」になっていて、地下鉄駅やバス停が点在するため交通の便も良いので、散策が楽しいエリアでもあります。
※ほかにも、由緒ある寺社や、西区の歴史がわかる案内プレート、かわいらしい七福神の石像等が点在しているため、ゆっくりと時間をかけて歩くのがお薦めです。

正確ではありませんが、現在こちらで見られるのは10種類以上の四季咲きのバラが約300株ぐらいなのだそうです。
中央分離帯の植栽で、あまり間近に見たり撮影したりすることができないため、本記事だけではその美しさや雰囲気は十分に伝わらないかもしれませんが、実際に歩いてみた印象では「結構咲いてるなあ」というものでした。
最新のビル群が並ぶ名古屋駅と、昔ながらの商店街を結ぶ重要な道路に、手がかかるバラが咲いている様子は、先端技術と伝統や文化の共存を体現しているようで、色々と考えさせられる光景でもある気がします。
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