東海さすらい旅日記【愛知県瀬戸市】芸術の秋「国際芸術祭あいち2025」めぐり④ 瀬戸市のまちなか(後編)

 9月13日に開幕した「国際芸術祭あいち2025」。瀬戸市のまちなか会場が面白い。前回に続いての後編。

 名鉄瀬戸線尾張瀬戸駅の北側と南側に大きくわかれる瀬戸市の」まちなか会場。南エリアを巡り、ランチを挟んで北エリアへ。北エリアにも、南エリアのせと末広商店街にイメージが近い銀座通り商店街がある。こちらも現役でありながら、懐かしい雰囲気が残されたレトロ感が味わえる商店街。瀬戸市出身の藤井聡太7冠推しが商店街全体で展開される。

 商店街には、元八百屋の空きスペースを活用した作品。瀬戸の土を使って作られた1万4千個もの花が旧店舗のなかに飾られる。決して華やかではないこの静かな花たちの姿が訴えるものは本芸術祭のテーマに繋がる。

 まちの中心部と言えるであろうエリアに残された廃校。過疎地の廃校アートはいくつも見たが、住宅街の廃校活用アートは初体験かも知れない。小学校の1階フロアのほぼ全スペースを使った壁紙による作品。テーマは「地球の詩」。教室、理科室、給食室、休憩室など、あらゆる空間を使ったダイナミックな展開に圧倒される。

 小学校から坂道を上っていくと、現役稼働中の鉱山施設の作品が待っている。芸術作品がここで展開されていることに意義がある。作品にももちろん意味があるが、普段目にしない鉱山の施設を見れるのが興味深い。それらはやきもののまち瀬戸の歴史と今を伝える役割も果たす。

 茅葺家屋の休憩所にもインスタレーション展示。尾張瀬戸駅に戻り、最後の作品を鑑賞。駅前の陶磁器卸問屋のスペースを活用した展示とカフェ空間。最後にゆっくりカフェオレを飲みながら瀬戸市のまちなかアートめぐりを終えた。

 国際芸術祭あいちは、また3年後に開かれるだろう。今度はどこのどんなまちでアートが展開されるのか。前回も今回もまちなか展示が面白かった。3年後の次回も楽しみにしている。

■国際芸術祭あいち2025 
https://aichitriennale.jp/

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この記事を書いた人

愛知県豊橋市生まれ。
出版社、シンクタンク勤務を経て、現在は一般社団法人ほの国東三河観光ビューローのマーケティングディレクター。旅人総研代表。愛知大学地域政策学部非常勤講師(観光まちづくり論)。
東海地方を中心に、地域を盛り上げる観光事業や集客計画など、手がけてきたプロジェクトは数知れず。生まれ育った愛知県東三河に腰を据え、地元活性のために奔走する。また、旅人総研代表として、講演やフォトラベライター(旅するカメラマンライター)などの個人活動も実施。旅と写真とロックを愛する仕事人で、公私ともに、さすらいの旅人として各地を巡っている。

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